在留資格「経営・管理」更新の際に提出する『直近の在留期間における事業の経営又は管理に関する活動内容を具体的に説明する文書』について

在留資格(ビザ)

少々長いタイトルになってしまいましたが、先日の記事で在留資格「経営・管理」の要件厳格化によって大きな影響を及ぼすことを紹介しました。

在留資格「経営・管理」更新を控える方へはこちら)

今回は、更新時に提出を要する書類のリストの中にある『10 直近の在留期間における事業の経営又は管理に関する活動内容を具体的に説明する文書[任意の様式](前回の在留申請時から変更がある場合はその理由の説明を含む)』についてご説明します。

提出を求める目的について

まず、これは令和7年10月の大きな改正以前から「更新」の場合に提出を求められていた書類です。令和7年7月10日以降の更新申請時に提出を求められるようになったものです。

これは、「経営活動の実態」を判断するもので、従前から問題になっていた「経営活動の実態のない経営・管理の在留者」を問題視し、経営の実態をしっかりと説明するよう求めるために作られたものです。

ところで、この書面については[任意の様式]とあります。どのように書けばよいのでしょうか?

何を理解してもらうために説明するのか?を考える

先ほど述べたように、提出を求める趣旨は申請人が「ちゃんと今回の在留期間で経営・管理活動を行っていたか?」を確認するための資料です。

ちゃんとしていたのかどうかを確認するために、まず、「経営活動の実態のない経営・管理の在留者」というのはどういう人なのか?(悪い例)を考えてみましょう。

  • 経営活動をせず、「何もしない」若しくは「別な活動(不法在留にあたる可能性がある)」をしている
  • 一応経営活動はしているが、本人はほとんど労していない(例えば法人名義で取得した建物の賃貸収入だけで生活している)
  • 日本国内にほぼおらず、日本国内での経営実態がない(入管のホームページでは「個々の在留状況に応じて判断することになりますが、一般論としては、決定された在留期間のうち、累計でその過半を超える期間について、再入国許可による出国(みなし再入国許可による出国を含む。)をしている場合には、正当な理由があるときを除き、在留期間更新に係る審査において消極的な要素として評価されることになります。」とのこと、要するに「半分以上の期間国外にいた場合は正当な事由がない限り更新させない可能性が高い」という解釈でよいでしょう。)

つまり、「経営活動をしっかり行っていること」と「国外に出国した、若しくは出国する予定がある場合は【正当な事由】があること」をわかってもらう書類ということになります。

当事務所で使用する様式の内容

まず、当事務所では更新の際は必須ですが、認定・変更の場合でも当年度の活動予定内容を同じ様式に落とし込んで提出しています。

また、必要な情報は「更新前の成果報告」ですが、当事務所では基本的に次年度の計画も併せて作成して提出するようにしています。「過去→現在(更新申請)→未来」と組み立てたほうが、入管にも「実態があること」を理解してもらいやすいためです。

なお、本内容はあくまでも当事務所で考える様式ですので、実際にどのような内容にするか?それによって申請の結果にどう響くかは何らの保証もできかねます。任意様式であるため、入管ホームページに具体例や必須記載事項の案内などはありません。

タイトル

〇〇(申請人)の活動内容報告書 兼 次年度の活動予定報告書(認定申請時に提出する際は「入国後~次年度の活動予定報告書」とします。)

時系列(年月)

1月ごとに月報形式で作成しています。週報、日報だと細かすぎること、それ以上の期間で区切ると不明瞭になるためです。

経営活動内容(どこで、誰と、何をするのか)

許認可の取得や社員・アルバイトの採用、何某かの契約を締結したなどの事業における出来事を書きます。この際に「取引先などの名称」は具体的に明示します。

場合によっては、取引があったことの証明として契約書や領収証を添付することも考えられます。

入出国の有無と目的

ない場合はないでよいのですが、ある場合は明確に理由を示せるようにします。

必ずしも業務に限らず「帰省」や「旅行」でも良いと思いますが、その場合は合理的な期間である必要があります。また、あまりにも頻繁な場合は経営活動に従事していないと捉えられますので、あくまでも「本業は経営・管理活動」であることを念頭におくべきです。昨今は、日本国内の会社でもITを活用した在宅勤務や遠隔勤務、ワーケーションなどもコロナ禍もあって推進はされているので、「国内にいない=経営活動していない」と断定できませんが、少なくとも「在留資格」を得る必要性を示すには相当程度日本にいる必要があると考えてください。

経営に関して出国しているのであれば、必ず「目的」や「訪問先」を明示すべきでしょう。

業務上の出国が多い場合は具体的な正当理由を資料に基づいて説明できるように立証書類を作っていく必要があります。

会社のトピック

許認可の許可取得や、テレビ取材などのイベントがあれば記載します。

個人のトピック

出勤のおおよその日数や、冠婚葬祭、家族の来日(短期滞在の訪問含む)などを記載します。

補足・備考

上記の各事項に補足すべきことを記載します。

その他

当事務所では、これに加えて事業計画書(更新の場合は中小企業診断士等の確認は今のところ不要)を提出します。

更新の場合の必須書類ではありませんが、経営実態の説明のために少なくとも提出できるようにしておくのが望ましいです。

問題の本質を抑えること

この書類を新たに提出書類に加えた背景は、先ほどから申し上げているように「経営実態のない外国人が一定数いる」という問題によるものです。

そのため、様式の細かい内容や見栄えよりも「経営実態がある」ということを示すことが重要です。

当事務所では認定、更新を終えた方には必ず「次回の更新に備えて、行動内容や相手方を日報のような形式で記録しておくよう」お願いしております。記憶を頼りに書類を作成した結果、入管から矛盾を指摘されてしまうと、リカバリーするのが大変です。

そのため、これまで以上に記録はしっかりつけること、出国を考える際は理由・期間が相当であるかどうかを良く考える必要があります。

当事務所の行政書士は過去にこの書類をはじめ、認定(現在は中小企業診断士等の確認を要する)・更新において複数件の「経営・管理」に関する許可を得ています。

これまでご自身や自社で認定、更新申請をしてきた方、別事務所に依頼していた方で不安のある方はぜひ一度ご相談ください。

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