特定建設業とは?一般建設業との違いについて

建設業

建設業許可を取得していたり、これから取得しようといている方の中には「うちは一般建設業のままで足りるのか」「元請で大きな工事を受けるなら特定建設業が必要なのか」と迷う場面があります。

建設業許可は、下請に出そうとしている工事の規模によって、一般建設業特定建設業に分かれています。「発注者から直接請け負う1件の建設工事」について、「下請代金の総額が5000万円以上となる場合(建築一式工事の場合は8000万円以上となる場合)は特定建設業とされています。

また、この金額には消費税及び地方消費税の額を含みますが、元請負人が提供する材料費等の価格は含まれません。(建設業ガイドライン【第3条関係4】

従って、単純に「工事代金が大きいから特定」というわけではなく、何を下請代金総額に含めるかを考える必要があります。

一般建設業との違い

一般建設業は、「特定建設業に該当しない」工事をいいます。つまり、元請として受けた工事でも、下請代金総額が特定建設業の基準に達しないのであれば、一般建設業で足ります。逆にいうと、特定建設業が問題になるのは、元請として大きな下請発注を伴う工事を行う場面です。従って、自社が下請けである場合に再下請に出す場面では必要ありません。

なお、同じ業種について特定建設業の許可を受けた場合、その業種の一般建設業許可は効力を失います。たとえば、すでに一般建設業の管工事業を持っている会社が、同じ管工事業について特定建設業許可を取った場合、その管工事業の一般許可は併存しません。

ただし、先ほどの例で「とび・土工・大工は一般」で、「管工事は特定」という場合はあり得ます。従って、一般建設業と特定建設業の両方を保有している例は多くあります。

どんなときに特定建設業を検討するのか

特定建設業を検討すべき典型的な場面は、自社が元請として受注し、主要な施工部分を複数の下請業者へ発注するケースです。特に、建築一式、土木一式、電気、管、舗装、鋼構造物などで、工事規模が大きくなりやすい会社は、一般建設業のままで足りるかどうかを早めに確認しておく必要があります。

一方で、自社施工中心で下請にあまり出さない会社や、元請であっても下請代金総額が基準額に達しない会社であれば、必ずしも特定建設業が必要になるわけではありません。特定建設業が必要かどうかは、売上規模ではなく、元請として直接受注した工事における下請発注の実態で判断すべきです。

特定建設業の主な許可要件

特定建設業であっても、建設業許可で求められる基本的な事項は同じです。

  • 経営業務の管理を適正に行うに足りる能力
  • 適切な社会保険への加入
  • 営業所ごとの営業所技術者または特定営業所技術者の配置
  • 誠実性
  • 財産的基礎または金銭的信用
  • 欠格要件に該当しないこと

この内容自体は一般建設業も特定建設業も変わりません。

ただし、特定建設業は、一般建設業に比べて技術者要件財産要件が厳しくなります。ここが実務上の大きな違いです。

特定建設業で重要な「特定営業所技術者」

一般建設業では営業所ごとに「営業所技術者」を置きますが、特定建設業では「特定営業所技術者」が必要になります。特定建設業のうち、土木・建築・電気・管・鋼構造物・舗装・造園の7業種は「指定建設業」とされ、こ国土交通大臣が定めた資格を有する者など、特定建設業の中でもより厳格な資格要件が求められています。

また、指定建設業以外の特定建設業についても、単に一般建設業の技術者要件を満たすだけでは足りません。

<指定建設業(指定7業種)>

① 資格者(一般建設業よりも厳しい)

② 国交大臣が上記①と同等以上と認めた者

<指定建設業以外>

上記①、②に加え、一般建設業における営業所技術者の要件を満たし、かつ、許可を受けようとする業種における発注者から直接請負う請負代金が1件4500万円以上のものに関し24か月以上の「指導監督的実務経験を有する者」

特定建設業は、一般建設業よりも「大きな元請工事を適切に管理できる技術者」が求められています。

なお、資格者については個別には列挙しませんが、一般建設業で認められる国家資格よりも範囲は狭められています。(ごく簡単に言えば「1級」であれば資格者として認められるものがあるが、「2級」だと指導監督的実務経験が必要。ただし、1級でも資格だけでパスできるものはかなり絞られています。)

特定建設業の財産要件

特定建設業で特に注意したいのが、財産的基礎の要件です。一般建設業は、自己資本500万円以上500万円以上の資金調達能力、または過去5年間許可を受けて継続して営業した実績「いずれかに該当」すれば足ります。

これに対して特定建設業は以下の通りです。

欠損の額が資本金の額の20%を超えていないこと

・流動比率が75%以上であること

・資本金の額が2,000万円以上で、かつ自己資本の額が4,000万円以上であること

「すべてに該当する」必要があります。

この点は、かなり大きなハードルです。申請の直前になって「技術者はいるが財務要件を満たしていなかった」ということもあり得ます。決算書の段階で事前確認しておくのが重要です。

北海道の手引きでは、既存企業は申請時直前の決算期の財務諸表新規設立企業は創業時の財務諸表で判断するとされています。

まとめ

特定建設業とは、元請として発注者から直接請け負った工事について、一定規模以上の下請発注を行う場合に必要となる許可です。基準は、下請代金総額5000万円以上、建築一式工事は8000万円以上であり、一般建設業との大きな違いは、大規模な下請活用を前提とした元請管理の許可である点にあります。

特定営業所技術者の要件財産的基礎の要件が一般建設業よりかなり厳しく、特に指定建設業(指定7業種)では資格要件を満たすかどうかが大きな点です。

札幌・北海道で元請として大型案件を扱うことが増えてきた会社は、一般建設業のままで足りるのか、それとも特定建設業が必要になりそうなのか、早めに検討しておくようにしましょう。

当事務所では建設業の新規ご相談は初回無料で承ります。当事務所へ来所でも貴社へお伺いでも可能です。

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