忘れがちな建設業許可の変更届

建設業

建設業許可の変更届というと、決算変更届を思い浮かべる方が多いと思います。特に経審を受けている事業者の場合は絶対忘れない届出です。

ほか、建設業許可に直結する経営業務の管理責任者・営業所技術者等」の変更については神経を使う場面が多いと思います。(これらの人が退職してしまうと、後任に適切な者を置けない場合建設業許可がなくなってしまうため)

ただし、他の許認可同様に商号・営業所・役員等・定款など、許可を受けるにあたり申請書に記載した事項が変更となった場合も変更届が必要です。

届出期限もありますので、今回は「決算届以外の変更届」をメインにご紹介します。

決算変更届以外に必要になる主な変更届について

大きく分けると「事後発生後2週間(14日)以内」のものと「事後発生後30日以内」のものに分けられます。

事後発生2週間以内に要する届出(建設業法第11条4項、5項)

  • 支配人の新任、退任
  • 令3条に規定する使用人(いわゆる「営業所の代表(所長等)」)の新任
  • 営業所技術者等の変更、追加、欠いたとき、氏名変更
  • 常勤役員等(経管)の変更、追加(氏名の変更を含む)
  • 常勤役員等を直接に補佐する者の変更、追加(氏名の変更を含む)
  • 欠格要件に該当するに至ったとき
  • 健康保険の加入状況

事後発生後30日以内に要する届出(建設業法第11条1項、同12条)

  • 商号、名称、営業所の名称、営業所の所在地の変更(電話番号も含む)
  • 営業所の新設、廃止
  • 営業所の業種追加、廃止
  • 資本金額
  • 役員等の新任、退任、代表者変更、氏名変更
  • 支配人の氏名変更
  • 常勤役員等、常勤役員等を補佐する者を欠いたとき
  • 廃業届(建設業の全部を廃止するとき、「許可をやめるとき」なので、会社が存続する場合でも建設業をやめる場合には必要)

決算変更届(決算報告届)

事業年度終了後4か月以内です。

定款変更時や使用人数の変更も届出が必要ですが、これは「決算変更届」と同時に提出します。

詳しくは…

『建設業許可申請の手引き【北海道知事許可業者用】』に表としてまとめられています。

罰則

建設業法第11条に関する書類を提出せず、又は虚偽の記載をしてこれを提出した場合、同法第50条に基づき、6月以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金(同法2項により併科の可能性がある)です。(本稿のテーマから若干外れますが、「決算変更届」も第50条の罰則の対象です。)

また、建設業法第12条に関する届出を怠った場合は同法第55条に基づき10万円以下の過料に処すると定められています。

どちらも大事な届出ですが、特に第50条の罰則は「拘禁刑」「罰金」であり、これらに処されると建設業許可の欠格事由に抵触します。

つまりこれらで実際に罰せられると建設業許可がなくなる恐れがあるということです。

もっとも、実務運用上これらの事情により直ちに罰則が適用されることは少ないと思いますが、企業としては「届出を怠る」ことが大きなリスクになりうることを念頭において管理する必要があります。

変更届を漏れなく行うために

上記を丸暗記することは正直難しいですし、覚え方として必ずしも適切ではありませんが、基本的に「登記が必要なものは30日」、「登記が必要ないものは2週間」の場合が許認可において多いですが、支配人の新任、退任は登記が必要な場面もあるので、一概にくくれません。

変更事項が生じたときは届出を要するか?いつまでに必要かを「事後の前」に確認しておくのがよいでしょう。

「登記が間に合わない場合」どうしたらよいか?

期限は守らなければいけないのはどの世界でも共通ですが、そもそも先ほどの支配人の例のように2週間以内のものは登記申請を間髪入れずに行わないとまず間に合いません。

最近は法務局や時期によって登記があがる(登記完了のこと)のが遅いということも多くあります。

登記を先に行わないと、登記事項の変更がある変更届は原則として「登記事項証明書」を出さなければいけませんので、変更届が出せません。

実務上のお話をすると、この場合は「管轄する振興局(札幌市内の知事許可業者は「石狩振興局」大臣許可の場合は「北海道開発局」)」に一報を入れるべきです。

大体の場合は、「登記終わったら出して」と言われます。振興局・開発局によっては理由書(登記が遅れてしまい、それに伴い変更届が遅れた…という形式的な説明文)を添付するよう言われる可能性があります。これについては、指示に従いましょう。

ただし、遅れた場合に振興局や開発局では「遅れて提出した」というマーキングはしている可能性があるので、頻繁に色々な届出を遅れていると「いつも遅れる業者」という悪い印象を与えてしまいます。また、先ほど述べたように「罰則がある」ものなので、何かのきっかけで罰則適用→欠格に抵触する可能性があります。

登記が間に合わないのは仕方ない面もありますが、「極力遅れない」ということと「遅れそうな場合、失念していた場合は事前連絡のうえ指示を仰ぐ」ことが大切です。

まとめ

建設業許可の変更届は、決算変更届に目が行きがちですが、他にも上記の通り届出が必要です。罰則も定められており、安易に遅れることが許されないものです。

変更が生じるごとに「これは届出が必要か?」「必要として、いつまでに何を用意すればよいか?」ということを考える必要があります。

当事務所ではスポットの変更届等はもちろんのこと、継続的な顧問契約で定期的な連絡を通じ、必要な届出等は漏れなく案内するサービスも提供しています。

行政書士が定期的に事業者の状況を確認することで漏れのリスクを低減することが可能です。

現在の運用、変更届、更新等手続きについてご心配、お悩みの方はぜひ一度ご相談ください。

当事務所では建設業関係のご相談は初回無料でお受けしております。

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