札幌や北海道で建設業を営んでいる方の中には、「そろそろ建設業許可を取りたい、取ったほうがいいかな?」と思っても「新規申請って、何から始めればいいのか分からない」と感じている方も多いのではないでしょうか。
建設業許可は、軽微な建設工事のみを請け負う場合を除いて必要になります。建築一式工事は1件「税抜き」で1500万円未満または延べ面積150㎡未満の木造住宅工事、建築一式以外は1件「税抜き」で500万円未満の工事が軽微な工事とされています。
ただ、近年は、軽微工事をもっぱら請負う業者に対しても、元請から「許可取得しないと発注しない」と言われる場合が増えてきているようです。ほか、「建築資材の仕入れ価格や人件費の高騰」から、軽微な工事に当てはまらない工事も増えてきています。
営業所が北海道内だけなら知事許可、2以上の都道府県に営業所を設けるなら大臣許可が必要です。本稿では知事許可をメインとしてお話します。
建設業許可申請はどこで行うのか?
北海道の業者の場合、知事許可は「主たる営業所を管轄する各振興局(全部で14あります。各振興局の区分、場所はこちら)」、大臣許可は「北海道開発局」です。主たる営業所が札幌市内にある業者であれば「石狩振興局」です。
北海道特有の事情としては、「各振興局によって、ローカルルールが存在する」という点を気を付けなくてはいけません。
同じ北海道内でも、振興局ごとに運用が異なります。従って、札幌市の業者(石狩振興局)に認められたことでも、同じ内容で小樽市の業者(後志振興局)や岩見沢市の業者(空知振興局)では認められない…ということが現実にあり得ます。従って、「主たる営業所を有する場所はどこか?」ということをしっかり考えておく必要があります。
なお、「主たる営業所」と「登記上の本店所在地」は必ずしも一致しません。例えば、自宅を登記上の本店所在地として、別に営業所を設けており、もっぱら建設業の請負契約は営業所で行っている場合、建設業許可上の主たる営業所は「当該営業所」になります。この場合、登記上の本店と実際上の営業所(本店)はそれぞれの住所を申請書に併記します。
建設業許可の「新規申請」とは
新規申請とは、現在有効な建設業許可をどの行政庁からも受けていない方が、初めて許可を申請する場合をいいます。
他には以下のような申請があります。
- すでに許可を持っていて業種を増やす場合は「業種追加」
- 許可を継続する場合は「更新」
- 大臣許可→知事許可、知事許可→大臣許可、北海道知事許可→他の都府県知事許可のように、許可権者が変わる場合は「許可換え新規」
- 一般建設業→特定建設業、特定建設業→一般建設業のように同一の業種の許可の中で一般と特定が変わる場合は「般特新規」
今回は「新規申請」をメインに取り上げます。
新規申請の前に、まず確認したい3点
新規申請では、まず以下の点を確認します。
1. 取りたい許可業種は何か?
まず、主に請負う工事は何の業種か?若しくは、「軽微な工事ではない工事」が発生する工事は何の業種か?を確認します。
建設業許可は29の業種にわかれており、取得した業種以外は「軽微な工事」しか行えません。従って、許可を取ることが有効な業種で取得する必要があります。
特に、営業所技術者の要件を実務経験で証明する場合は、5年または10年の実務経験が必要ですが、当該実務経験を証明した月に重複して別な業種の実務経験証明はできません。
理屈上1業種の取得に5年または10年以上要するので、実務経験で2業種以上取るのは非現実的です。従って、「何の業種で取るか?」ということは、より真剣に考える必要があります。
2. 管轄
主たる営業所だけでなく、従たる営業所の有無も含めて、営業所の置き方で許可行政庁が変わります。北海道内のみに営業所を設けるなら北海道知事許可ですが、先ほども述べたようにその中でも14の振興局にわかれます。
どのような運用になっているか事前に調査しておく必要があります。
3. 一般建設業か、特定建設業か
発注者から直接請け負った1件の工事について、下請代金総額が5000万円以上(建築一式工事は8000万円以上)となる下請契約を締結して施工する場合は特定建設業、それ以外は一般建設業とされています。ほとんどの場合は先ず一般建設業から検討することが多いです。
特定建設業は要件が一般建設業に比べ厳しく設定されています。
建設業許可の新規申請の流れ
ここから、実際の流れを順番に見ていきます。
1. 6つの許可要件を満たしているか確認する
建設業許可を受けるために、次の6つの許可要件を満たす必要があるとされています。
経営業務の管理を適正に行うに足りる能力
適切な社会保険への加入
営業所ごとの専任の営業所技術者等(専任技術者)の配置
誠実性
財産的基礎または金銭的信用
欠格要件に該当しないこと
特に、専任技術者については多くの新規申請を検討する事業者が悩むことになります。
一番良いのは専任技術者の要件を満たしている「一定の資格保有者」を充てるのがよいのですが、実際上資格を保有している人を配置できないこともあります。そのため、「許可を取得しよう!」と思い立ってもスムーズに進まないことがあります。
建設業は「取得はまだ早い」と思った時から入念な準備が必要です。
今回は要件を満たす…という前提で次に進めます。
3. 必要書類を集める
新規申請では、申請書1枚だけで終わるわけではありません。主な提出書類として以下の書類があります。
- 建設業許可申請書
- 役員等の一覧表
- 営業所一覧表
- 営業所技術者等一覧表
- 許可を取ろうとする業種の工事経歴書
- 直前3年の工事施工金額
- 使用人数の説明書面
- 誓約書
- 常勤役員等の略歴書、身分証明書、登記されていないことの証明
- 健康保険等の加入状況を示す書類
- 営業所技術者等証明書
- 役員等の調書
- 株主リスト
- 定款
- 登記事項証明書(法人の場合に限る)
- 財務諸表(建設業様式の貸借対照表・損益計算書・工事原価計算書など、税理士作成の財務諸表をそのまま添付は不可)
- 納税証明書
- 営業の沿革
- 所属建設業者団体
- 主要取引機関名
- 営業所の確認書類(写真)
状況によって、他に書類が必要になる場合があります。
作成すべき書類、集める書類の量はそれなりになります。案件によって異なりますが、概ね50枚程度は提出書類が発生します。
4. 申請書類を組上げて提出する
手引きに従って、書類を順番通り組み上げます。
石狩振興局の場合「正本1通・副本1通」、それ以外の振興局の場合は「正本1通・副本2通」を提出します。併せて、手数料(一般建設業、知事許可の場合9万円分の北海道収入証紙)を貼りつけした証紙ちょう付用紙、副本の返送用封筒(簡易書留用の切手を貼った封筒又はレターパックプラス)
5. 振興局で審査を受ける
申請書類は振興局で受付され、形式審査と内容審査が行われます。書類に不足や不整合があれば補正を求められ、要件に適合していれば許可通知書が送付されます。
振興局での書面審査に加えて、役員等の反社・犯歴の照会を各役員等の本籍地に対して行われます。(身分照会)
したがって、審査する振興局が急いでくれたとしても、本籍地の対応を待たねばならないということは留意しておく必要があります。
標準処理期間は開庁日ベースで35日程度(暦通りだと2か月弱)で、補正や役所の対応速度次第でもう少し伸びる可能性はあります。
6. 許可通知を受ける
許可は郵送で通知されます。
建設業許可の新規申請は自社で出来る?
北海道のホームページに「手引きのPDF」や「様式のエクセルデータ」をダウンロード可能なので、自社で行うことは理屈上可能です。
ただ、書類収集が煩雑であることや、各振興局での運用が異なっていること等、手続きを進めるのは大変な労力がかかります。
新規申請を行政書士に依頼するメリット
行政書士が書面作成及び申請代理人になることで、役所関係のやりとりは基本的に行政書士が行います。
また、煩雑な役員等の本籍地や法務局への書類取得も代理することが可能です。
ほか、現状で許可が取れるかどうか?許可を取るべきかどうか?を客観的に事前に確認することが可能です。
当事務所では「建設業許可」のご相談は初回無料で承っています。ぜひご相談ください。


