よく頂くご質問についてまとめています。ご覧いただきご不明な点等あればお気軽にお問い合わせください。なお、以下の記事は「北海道知事許可」「石狩振興局管内」を中心においてご説明しております。
他振興局や他の都府県では建設業許可の運用ルールが異なる可能性もございます。
(※本記事は令和8年10月時点の法令・制度等に基づいて作成しています。具体的な許可要件の判断や必要書類の取扱いについては、申請先の行政庁や個別の事情によって異なる場合があります。)
第1章 建設業許可の基本
- Q1.建設業許可が必要になるのは、どのような場合ですか?
- Q2.500万円未満の工事であれば、建設業許可は不要ですか?
- Q3.一般建設業許可と特定建設業許可は何が違うのですか?
- Q4.知事許可と大臣許可は何が違うのですか?
- Q5.建設業許可を取得するためには、どのような要件がありますか?
- Q6.経営業務の管理責任者とは何ですか?
- Q7.会社を設立したばかりでも建設業許可を取得できますか?
- Q8.営業所技術者等とは何ですか?
- Q9.建設業許可を取得するには、必ず国家資格が必要ですか?
- Q10.建設業許可を取得するには500万円の資本金が必要ですか?
- Q11.10年間の実務経験があれば、資格がなくても建設業許可を取得できますか?
- Q12.請負契約書や注文書が残っていなくても、実務経験を証明できますか?
- Q13.建設業許可の申請には、どのような書類が必要ですか?
- Q14.建設業許可の取得には、どのくらいの期間がかかりますか?
- Q15.建設業許可を取得するための費用はいくらですか?
- Q16.建設業許可には有効期限がありますか?
- Q17.決算変更届(事業年度終了届)とは何ですか?
- Q18.決算変更届を何年も提出していません。どうすればよいですか?
- Q19.経営事項審査(経審)とは何ですか?
- Q20.公共工事の入札に参加するためには、何が必要ですか?
Q1.建設業許可が必要になるのは、どのような場合ですか?
A.原則として、軽微な建設工事の範囲を超える工事を請け負う場合には、建設業許可が必要です。
建設業法では、建設工事の完成を請け負うことを営業とする場合、原則として建設業許可を取得しなければならないと定めています。
ただし、例外として「軽微な建設工事」のみを請け負う場合には、建設業許可を取得せずに営業することが認められています。
軽微な建設工事とは、次の工事を指します。
【建築一式工事の場合】
請負代金が1500万円未満の工事、または延べ面積150㎡未満の木造住宅工事
【建築一式工事以外の場合】
請負代金が500万円未満の工事
なお、これらの金額は消費税込みで判断します。従って現在の消費税10%で考えれば税抜き454万円ほど…と言えます。
また、建設業許可が必要かどうかは、元請工事か下請工事かによって変わるわけではありません。下請工事であっても、軽微な建設工事の範囲を超える工事を請け負う場合には許可が必要です。
建設業許可を取得しなければならない工事を無許可で請け負った場合、建設業法違反となるため注意が必要です。
なお、建設業許可が不要な工事であっても、電気工事業など、別の法令に基づく登録や届出が必要となる場合があります。
Q2.500万円未満の工事であれば、建設業許可は不要ですか?
A.原則として不要ですが、工事代金の計算方法には注意が必要です。
建築一式工事以外の建設工事については、請負代金が500万円未満であれば、建設業許可がなくても請け負うことができます。
ただし、この500万円という金額は消費税込みです。
例えば、請負代金が税抜460万円の場合、消費税10%を加えると506万円となるため、軽微な建設工事には該当しません。
また、注文者から材料の提供を受ける場合には、その材料の市場価格や必要な運送費を請負代金に加えて判断します。
例えば、工事代金が400万円であっても、注文者から支給される材料の価格が200万円であれば、許可が必要となる可能性があります。
さらに、本来ひとつの工事であるにもかかわらず、建設業許可を不要にする目的で契約を分割することは認められません。
このように、契約書に記載された金額だけで判断できるとは限りません。
近年は資材価格や労務費が上昇しているため、従来は500万円未満に収まっていた工事でも、許可が必要となるケースが考えられます。
こちらもお読みください。【500万円未満の工事なら建設業許可不要?よくある誤解を紹介します。】
第2章 建設業許可の種類について
Q3.一般建設業許可と特定建設業許可は何が違うのですか?
A.主な違いは、元請業者として工事を請け負った際に、下請業者へ発注する工事代金の総額です。
建設業許可は「一般建設業許可」と「特定建設業許可」の2種類に分かれています。
特定建設業許可が必要になるのは、発注者から直接請負った1件の工事について、次の金額以上となる下請契約を締結して施工する場合です。
【特定建設業許可が必要となる下請代金の基準】
・建築一式工事:8000万円以上
・その他の建設工事:5000万円以上
この金額は、1件の元請工事について締結する下請契約の総額で判断します。
例えば、元請として請け負った工事について、一次下請業者3社にそれぞれ2000万円の工事を発注する場合、下請代金の総額は6000万円となります。
建築一式工事以外であれば、特定建設業許可が必要となるケースです。
一方で、発注者から1億円の工事を直接請け負った場合でも、下請契約の総額が基準額未満であれば、一般建設業許可で請け負うことが可能です。
つまり、一般建設業許可だから5000万円以上の工事を請け負えない、というわけではありません。
なお、上記の金額基準は令和7年2月1日に引き上げられたものです。
Q4.知事許可と大臣許可は何が違うのですか?
A.建設業を営む営業所が、いくつの都道府県に設置されているかによって異なります。
建設業許可には、都道府県知事が許可する「知事許可」と、国土交通大臣が許可する「大臣許可」があります。
【知事許可】
ひとつの都道府県のみに建設業の営業所を設置する場合
【大臣許可】
2つ以上の都道府県に建設業の営業所を設置する場合
例えば、札幌市と旭川市に営業所を設置する場合、どちらも北海道内であるため、北海道知事許可となります。
一方、札幌市と青森市に建設業の営業所を設置する場合には、国土交通大臣許可が必要です。
なお、北海道知事許可を取得している会社であっても、北海道外の工事を請け負うことは可能です。知事許可だからといって、工事を施工できる地域が許可を得ている都道府県内に限定されるわけではありません。(※ただし、営業所技術者が現場の主任技術者になるような小規模な事業者の場合、営業所技術者は原則事務所常駐する必要があるため、過度に遠方への工事の主任技術者になることはできません。)
重要なのは、工事現場の所在地ではなく、建設業法上の営業所の設置状況です。
また、ここでいう営業所とは、単に事務所や倉庫がある場所ではなく、建設工事の請負契約に関する営業活動を行う本店や支店などを指します。従って、「会社登記上の本店・支店」と「建設業許可における本店や営業所」は異なる場合があります。
第3章 建設業許可の取得要件について
Q5.建設業許可を取得するためには、どのような要件がありますか?
A.主に経営能力、社会保険、技術者、誠実性、財産的基礎についての要件を満たし、欠格要件に該当しないことが必要です。
建設業許可を取得するためには、次の要件を満たす必要があります。
① 経営業務の管理を適正に行う能力があること
建設業について一定の経営経験を有する常勤役員等がいるなど、適切な経営管理体制が整っていること。
② 適切な社会保険に加入していること
健康保険、厚生年金保険、雇用保険について、適用事業所に該当する場合には必要な届出が行われていること。
③ 営業所技術者等を配置していること
営業所ごとに、一定の資格や実務経験を有する営業所技術者等を専任で配置していること。
④ 請負契約について誠実性があること
請負契約の締結や履行に際して、不正または不誠実な行為をするおそれが明らかな者でないこと。
⑤ 財産的基礎または金銭的信用があること
工事を適切に施工するための財産的な基礎があること。
さらに、申請者や役員等が建設業法に定める欠格要件に該当しないことも必要です。
詳細はこちらもお読みください。【建設業許可の許可要件】
これらの要件のうち、実務上、特に問題になりやすいのが「経営業務の管理能力」と「営業所技術者等」の要件です。
どちらも、一定の経験が必要となるだけでなく、その経験を資料によって証明する必要があるためです。
詳細はこちらもお読みください。【経営業務の管理責任者と営業所技術者の実務経験の証明は難しい?入念な準備をしておきましょう!】
Q6.経営業務の管理責任者とは何ですか?
A.建設業について一定の経営経験を有し、建設業の経営管理を適切に行う役割を担う人のことです。
建設業許可を取得するためには、建設業の経営業務を適正に管理できる体制が必要です。
その代表的な要件として、建設業に関して5年以上の経営業務の管理責任者としての経験を有する常勤役員等を配置する方法があります。
法人の場合には常勤役員のうちの1人、個人事業主の場合には本人または支配人が要件を満たす必要があります。
例えば、建設会社で5年以上取締役として経営に携わっていた場合や、個人事業主として5年以上建設業を営んでいた場合などが考えられます。
ただし、単に建設会社に5年間勤務していたというだけでは、経営業務の管理経験があることにはなりません。
また、経営経験があったとしても、その期間や立場を証明できる資料が必要です。
なお、現在の制度では、一定の補佐体制を設ける方法など、5年以上の経営業務の管理責任者としての経験以外にも要件を満たす方法があります。
Q7.会社を設立したばかりでも建設業許可を取得できますか?
A.はい。会社を設立したばかりであっても、必要な要件を満たしていれば建設業許可を取得できます。
建設業許可には、「会社を設立してから何年以上経過していなければならない」という要件はありません。
したがって、設立したばかりの法人であっても、建設業許可を申請することは可能です。
ただし、新設法人であっても、経営業務の管理能力や営業所技術者等の要件が免除されるわけではありません。
例えば、個人事業主として長年建設業を営んでいた方が法人を設立し、その法人の常勤役員となる場合、個人事業主時代の経営経験を活用できることがあります。
また、設立したばかりで決算を迎えていない会社でも、必要な資金調達能力などを証明することで財産的基礎の要件を満たせる場合があります。
注意したいのは、会社を設立したことと、建設業許可を取得できることは別問題だという点です。
建設業許可の取得を前提として法人化するのであれば、会社設立前の段階から許可要件を確認しておく必要があります。
Q8.営業所技術者等とは何ですか?
A.建設業許可を受ける営業所ごとに配置する必要がある、一定の資格や実務経験を有する技術者のことです。
建設業許可を取得するためには、営業所ごとに「営業所技術者等」を専任で配置しなければなりません。
以前は「専任技術者」と呼ばれていたもので、令和6年12月の建設業法改正に伴い、名称が変更されました。
営業所技術者等となるためには、取得する許可業種に応じた国家資格や実務経験などが必要です。
例えば、一般建設業許可では、該当する国家資格を保有している場合や、所定の学歴と実務経験を有する場合、あるいは原則として110年以上の実務経験がある場合などに要件を満たすことがあります。
一方、特定建設業許可では、より厳しい資格や経験が必要となります。
また、営業所技術者等は原則としてその営業所に常勤し、専任で勤務する必要があります。
そのため、他社に常勤している方を名義だけ借りて配置することは認められません。
なお、一定の要件を満たす場合には、営業所技術者等が工事現場の技術者を兼務できます。
Q9.建設業許可を取得するには、必ず国家資格が必要ですか?
A.いいえ。一般建設業許可であれば、国家資格がなくても取得できる場合があります。
建設業許可を取得するには、営業所技術者等の要件を満たす人が必要ですが、必ずしも国家資格がなければならないわけではありません。
一般建設業許可の場合、主に次のような方法で営業所技術者の要件を満たすことができます。
① 許可業種に対応する国家資格を保有している。
② 所定の学歴と一定年数の実務経験がある。
③ 原則として10年以上、許可業種に対応する建設工事の実務経験がある。
例えば、国家資格を持っていない場合でも、内装仕上工事について10年以上の実務経験があり、その経験を証明できれば、内装仕上工事業の営業所技術者となれる可能性があります。
ただし、どのような工事でも10年間経験していればよいというわけではありません。取得したい許可業種に対応する工事の経験であることが必要です。
また、実務経験を証明するための契約書や注文書などの資料も必要です。(石狩振興局の場合は契約書、注文書&請書、請求書&通帳のどれかで審査してくれます。他の振興局や都府県では認められない管轄もあります。)
資格がないという理由だけで建設業許可を諦める必要はありませんが、実務経験によって要件を満たそうとする場合には、証明資料の準備を慎重に進める必要があります。
Q10.建設業許可を取得するには500万円の資本金が必要ですか?
A.いいえ。一般建設業許可では、必ずしも資本金が500万円以上必要というわけではありません。
一般建設業許可を取得するためには、一定の財産的基礎または金銭的信用が必要です。
具体的には、次のいずれかの要件を満たすことが求められます。
① 自己資本が500万円以上あること。
② 500万円以上の資金調達能力があること。
③ 許可申請直前の過去5年間、許可を受けて継続して建設業を営んだ実績があること。
ここで注意したいのは、「資本金」と「自己資本」は異なるという点です。
例えば、資本金100万円で設立した会社でも、その後の利益の蓄積などによって自己資本が500万円以上になっていれば、財産的基礎の要件を満たす場合があります。
また、自己資本が500万円未満であっても、金融機関の残高証明書などによって500万円以上の資金調達能力を証明できれば、許可を取得できる可能性があります。
一方、資本金が500万円以上あっても、欠損などによって自己資本が減少している場合には注意が必要です。
なお、特定建設業許可では、資本金2000万円以上かつ自己資本4000万円以上など、より厳しい財産要件が設けられています。
第4章 実務経験の証明について
Q11.10年間の実務経験があれば、資格がなくても建設業許可を取得できますか?
A.一般建設業許可であれば、取得したい業種に対応する10年以上の実務経験を証明することで、営業所技術者の要件を満たせる場合があります。
例えば、管工事について10年以上の実務経験がある場合、管工事業の営業所技術者となれる可能性があります。
ただし、ここで重要なのは、単に10年間建設業に従事していたという事実だけでは足りないことです。
取得を希望する許可業種に該当する工事について、必要な期間の経験を積んでいることが求められます。
さらに、その経験を行政庁に対して証明できなければなりません。
例えば、請負契約書、注文書・請書、請求書と通帳(入金記録)などが確認資料となる場合があります。
実務経験の証明では、経験期間を月単位で確認する運用もあり、10年間の場合には原則として120か月分の経験を立証する必要があります。1か月につき1工事のカウントになるため、「該当する工事がない月」も発生し得ます。
許可取得を希望する業種と、実際に施工していた工事の内容が一致しているかどうかも重要な判断材料です。
現場経験が豊富な方であっても、証明資料が不足しているために許可申請が難しくなることは珍しくありません。
将来的に実務経験で建設業許可を取得したい場合には、契約書や注文書などを日頃から適切に保管しておくことをおすすめします。
Q12.請負契約書や注文書が残っていなくても、実務経験を証明できますか?
A.ほかの資料によって証明できる可能性はありますが、必ず認められるとは限りません。
建設業許可の申請では、実務経験を証明するために、過去に施工した工事の内容や期間を確認できる資料が必要です。
一般的には、請負契約書や注文書・請書などが重要な資料となります。
しかし、小規模な建設業者や一人親方の場合、過去の工事について正式な契約書を交わしていなかったり、古い書類を廃棄してしまっていたりすることもあります。
そのような場合には、例えば次のような資料が残っていないか確認します。
・工事内容が分かる請求書
・工事代金の入金が確認できる預金通帳
・注文者側に保管されている契約関係書類
ただし、これらの資料が請負契約書等の代わりとして認められるかは、資料の内容や申請先の行政庁の取扱いによって異なります。
例えば、請求書に「工事一式」としか記載されていない場合、その工事がどの許可業種に該当するのか判断できないことがあります。
また、請求書と通帳の入金額が一致しない場合などには、追加の説明や資料が必要になる可能性があります。
実務経験の証明は、単に書類を集めるだけではなく、工事内容、工事期間、取引先、代金の支払いなどを整理する作業です。
当事務所では、将来的な建設業許可の取得を見据え、実務経験を積み重ねている段階からのサポートにも対応しています。
第5章 建設業許可の申請手続きについて
Q13.建設業許可の申請には、どのような書類が必要ですか?
A.申請書のほか、経営経験、技術者の資格・経験、財産状況などを確認するための書類が必要です。
建設業許可の申請では、所定の申請書類に加えて、許可要件を満たしていることを確認するための資料を提出します。
主な書類としては、次のようなものがあります。
・建設業許可申請書
・役員等の一覧表
・営業所一覧表
・工事経歴書
・財務諸表
・経営業務の管理経験を証明する書類
・営業所技術者等の資格や実務経験を証明する書類
・常勤性を確認する書類
・社会保険の加入状況を確認する書類
・納税証明書
・法人の登記事項証明書
・営業所の使用状況を確認する書類
ただし、これらは代表的な書類であり、法人か個人事業主か、一般建設業か特定建設業か、また申請先の行政庁によって必要書類は異なります。
特に、過去の経営経験や実務経験によって許可要件を満たす場合には、証明資料の収集に時間がかかることがあります。
建設業許可の申請では、申請書の作成以上に、許可要件を満たすことを裏付ける資料の準備が重要になるケースも少なくありません。
Q14.建設業許可の取得には、どのくらいの期間がかかりますか?
A.北海道知事許可の場合、申請書の受理から許可までの標準処理期間は、おおむね35開庁日とされています。
ただし、これは申請書が正式に受理されてからの期間であって、申請前の書類収集や作成に要する期間は含まれていません。
例えば、国家資格によって営業所技術者の要件を満たし、経営経験や財産的基礎についても必要書類が揃っている場合には、比較的スムーズに申請できることがあります。
一方、営業所技術者の10年間の実務経験を証明する必要がある場合や、過去の経営経験を確認するための書類が不足している場合には、準備だけで相当の時間がかかる可能性があります。
また、申請書類に不備があり、補正や追加資料の提出が必要となった場合には、その分だけ時間がかかります。
大臣許可の場合は、北海道知事許可とは審査期間が異なります。
建設業許可は、申請すれば直ちに取得できるものではありません。
大きな工事の受注予定がある場合や、元請業者から許可取得を求められている場合には、余裕を持って準備を始める必要があります。
Q15.建設業許可を取得するための費用はいくらですか?
A.新規の建設業許可申請では、知事許可の場合は9万円、大臣許可の場合は15万円の法定費用(北海道知事の場合は「北海道収入証紙」)が必要です。
一般建設業許可または特定建設業許可のいずれか一方を新規取得する場合、法定費用は次のとおりです。
【知事許可】
・新規許可:9万円
・更新:5万円
・業種追加:5万円
【大臣許可】
・新規許可:15万円
・更新:5万円
・業種追加:5万円
なお、一般建設業許可と特定建設業許可を同時に新規取得する場合などは、費用が異なります。
これらのほかに各種証明書の取得費用などが必要です。また、行政書士に依頼する場合は別途報酬が必要です。
建設業許可の取得を検討する際には、申請時の費用だけでなく、許可取得後の決算変更届や5年ごとの更新など、維持管理に必要な費用も考慮しておくとよいでしょう。
第6章 建設業許可取得後の手続きについて
Q16.建設業許可には有効期限がありますか?
A.はい。建設業許可の有効期間は5年間です。
建設業許可を取得した後も引き続き建設業を営む場合には、5年ごとに更新申請を行う必要があります。
更新手続きを行わずに有効期間が満了した場合、建設業許可は失効します。
北海道知事許可の場合、更新申請は原則として許可の有効期間満了日の3か月前から30日前までに申請する必要があります。(※有効期限満了日までではありません。)
なお、更新申請では、許可取得後も必要な要件を満たしていることが確認されます。
例えば、経営業務の管理体制や営業所技術者等の配置状況、適切な社会保険への加入などが問題になります。
また、毎年提出する決算変更届や役員等が変わった時に提出する届出が未提出となっている場合には、その対応が必要になります。
注意したいのは、許可更新の時期だけを管理していればよいわけではないという点です。
建設業許可は、取得後も継続して要件を満たしている必要があります。
経営業務の管理責任者や営業所技術者等が退職する場合には、許可の維持に影響することがあるため、事前に対応を検討することが重要です。
Q17.決算変更届(事業年度終了届)とは何ですか?
A.建設業許可を取得した事業者が、毎事業年度の終了後4か月以内に提出しなければならない届出です。
建設業許可を取得すると、毎年、事業年度の終了後4か月以内に決算変更届(決算報告届)を提出する必要があります。
例えば、3月決算の会社であれば、原則として7月末までに提出しなければなりません。
決算変更届には、次の書類が必要です。
・工事経歴書(各業種ごとに分けて作成)
・直前3年の各事業年度における工事施工金額
・貸借対照表
・損益計算書及び工事原価内訳
・株主資本等変動計算書や注記表(法人の場合)
・事業報告書(法人でかつ株式会社の場合)
・事業税に関する納税証明書
なお、会社の税務申告を自社や税理士に依頼して税務署に申告している場合でも、それだけで建設業法上の決算変更届を提出したことにはなりません。
税務申告と建設業許可の決算変更届は別の手続きです。
また、工事経歴書や財務諸表は、建設業法に基づく様式で作成する必要があります。
決算変更届は、許可の更新時だけ提出すればよいものではなく、毎年提出する義務があることに注意してください。
Q18.決算変更届を何年も提出していません。どうすればよいですか?
A.まずは未提出となっている年度を確認し、必要な届出書類を整えて速やかに提出することが重要です。
建設業許可を取得したものの、毎年の決算変更届を提出していないというケースがあります。
特に、建設業許可を取得してから初めての更新時期を迎えた際に、過去の決算変更届が提出されていないことに気づく事業者もいます。
決算変更届は、建設業法で定められた提出義務のある書類です。
未提出の状態を放置することは適切ではありません。
過去の決算変更届が未提出となっている場合には、対象となる事業年度の工事経歴や財務諸表などを確認し、必要な書類を作成することになります。
ただし、過去の資料が残っていない場合や、工事経歴が整理されていない場合には、書類の作成が難しくなることがあります。
また、過年度分の提出方法や必要な資料については、許可行政庁に確認する必要があります。
「何年も提出していないから、もうどうにもならない」と放置せず、早めに対応することをおすすめします。
当事務所では、「過年度の未提出」を含む決算変更届の作成・提出や、許可更新を見据えた継続的な管理についてもご相談をお受けしています。
第7章 経営事項審査・公共工事について
Q19.経営事項審査(経審)とは何ですか?
A.経営事項審査(経審)とは、公共工事を発注者から直接請け負おうとする建設業者が受ける必要のある審査です。
国や地方公共団体などが発注する一定の公共工事を直接請け負う場合、建設業許可を取得しているだけでは足りず、経営事項審査を受ける必要があります。
経営事項審査では、建設業者の経営状況や施工能力などを客観的に評価します。
審査項目は、次のとおりです。
① 経営規模(X1・X2)
② 経営状況(Y)
③ 技術力(Z)
④ その他の審査項目・社会性等(W)
これらの評価をもとに、総合評定値(P点)が算出されます。
例えば、完成工事高や自己資本額、技術職員の人数、建設業の営業年数、社会性に関する取組などが評価対象となります。
なお、経営状況分析(Y点)は登録経営状況分析機関が行い、経営規模等評価は知事許可業者であれば都道府県、大臣許可業者であれば国土交通省の地方整備局等が行います。
また、令和8年7月1日以降の経営事項審査の申請では、社会性等の審査項目が改正されています。
経営事項審査は、公共工事の受注を目指す建設業者にとって、重要な制度といえるでしょう。
Q20.公共工事の入札に参加するためには、何が必要ですか?
A.一般的には、建設業許可の取得、経営事項審査の受審、発注機関ごとの入札参加資格審査などが必要です。
公共工事の入札に参加するためには、建設業許可を取得しているだけでは足りません。
一般的には、次のような手続きを行います。
① 建設業許可を取得する。
② 決算後、必要な決算変更届等を提出する。
③ 登録経営状況分析機関による経営状況分析を受ける。
④ 経営規模等評価を申請し、総合評定値を請求する。
⑤ 入札への参加を希望する発注機関の入札参加資格審査を申請する。
⑥ 発注機関の資格審査を経て、必要な資格を取得する。
なお、経営事項審査と入札参加資格審査は別の制度です。
経営事項審査は建設業者の経営状況や施工能力などを客観的に評価する制度ですが、入札参加資格審査は、それぞれの発注機関が定める基準に基づいて行われます。
また、経営事項審査については、審査基準日から1年7か月という有効期間があるため、継続的に公共工事を受注する場合には、毎年受審する必要があります。
入札参加資格の有効期間や申請時期についても、発注機関によって異なります。
そのため、公共工事への参入を考えている場合には、建設業許可の取得だけでなく、経営事項審査や入札参加資格申請までを見据えた準備が重要です。
おわりに|建設業許可は取得後の管理も大切です
今回は、建設業許可についてよくある質問を20問取り上げました。
建設業許可は、建設業者が一定の規模の工事を請け負うために必要となる制度ですが、許可を取得すること自体が目的ではありません。
建設業許可を取得することで、より大きな工事を受注できるようになったり、元請業者や取引先からの信頼につながったりすることが期待できます。
一方で、許可取得後は毎年の決算変更届や5年ごとの更新など、継続して必要な手続きが発生します。
また、経営業務の管理責任者や営業所技術者等の退職、役員や営業所の変更、業種追加など、事業の状況によっては新たな手続きが必要になることもあります。
さらに、将来的に公共工事への参入を目指すのであれば、経営事項審査や入札参加資格申請についても検討する必要があります。
建設業許可は、取得して終わりではなく、事業の発展に合わせて適切に維持・管理していくことが重要です。
当事務所では、建設業許可の新規申請、更新申請、各種変更届、決算変更届、経営事項審査などの手続きを取り扱っています。
また、将来的な許可取得に向けた実務経験の証明資料の準備や、建設業許可の継続的な管理を目的とした顧問契約についてもご相談をお受けしています。
建設業許可の取得を検討している方や、現在の許可の維持管理に不安がある方は、お気軽にお問い合わせください。
